赤ちゃん・妊娠にも良くない野菜(米)の農薬使用量・残留農薬

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赤ちゃん・妊娠にも良くない野菜(米)の農薬使用量・残留農薬

山と田んぼ

安全な野菜やお米を食べたいという思いは、大切な赤ちゃんを妊娠中のママさんや子供がアトピー・アレルギーもちのため悩んでいるなど、切実な事情がおありだと思います!

そうなるとやっぱり気になるのは日本の農業における野菜などに使われている農薬・化学肥料の使用量は多いの? 化学物質・添加物は避けたい、危険はないの? 実際はどうなっているの?? という疑問です。

ここでは、最も信頼性の高い情報源として、農林水産省が公表している農薬の使用量を元に詳しく解説します。

日本の農薬使用量はノルウェーの16倍!!

日本の農薬・化学肥料の使用量
農林水産省 http://www.maff.go.jp/j/wpaper/w_maff/h24_h/trend/part1/chap3/c3_8_01.html

日本での単位面積当たりの農薬使用量はこの表によると第2位、化学肥料は第3位と非常に多いことが公表され、認められています。その具体的な根拠として、1ヘクタールあたり約11kg使用されているという結果で、最も少ないノルウェーと比較して16倍もの使用量となっています。

「えーっ、そんなバカな!」という声が聞こえてきそうです。

ハイ。数字は嘘をつけないので、非常にショッキングな事実が浮き彫りに。
オリンピックに例えるなら銀メダルと銅メダルが貰えるような上位にランクインですが、大変ありがたくない結果ですね・・・。

食文化の日本の安全性は世界でもトップクラスのはずが、どうしてこんなことになってしまったのでしょうか?(農薬使用量がトップクラスって、笑えませんね・・・)

それには、日本の気候と環境が生み出した試練ともいえる原因があります。スーパーや飲食チェーン店、工場に卸す農家の多くは大量生産を実現するために、本来は人体に良くない農薬を使わざるを得ないのです。

もっと詳しい事情を知りたいという方は、非常に長くなりますが以下の続きをお読みください。
一般の方にはほぼ知られていないであろう、農家と自然との闘いの記録です(大げさ笑)。
すごく大雑把に結論から言うと、それらは農薬の散布によって殆ど解決するのです!
逆にいうと、無農薬農家・自然栽培農家は安心・安全な野菜やお米をお届けするために、この終わらない闘いを続けるほかないのです・・・!

野菜にとっては生きづらい日本の環境

高温多湿の日本

日本の湿度の平均はおよそ60%~70%となっていて、さらに夏場では湿度が75%以上になるためジメジメ、ムシムシと蒸し暑くなります。この人間にとっても不快な湿度が、野菜やお米などの作物にとっても健康的に育つためには不利な環境となります。

病害虫は高温多湿で増える

野菜やお米などの作物にとって最も脅威となるのはなんといっても「病害虫」です。
病害虫とは作物に発生する「病気」と作物を食い荒らす「害虫」の二つに大きく分けられます。
どちらも高温多湿の環境を好み増殖するため、日本で作物を栽培するなら避けて通れない障害となってきます(工場栽培など一部例外はあります)。

野菜も生き物ですから、病気になります。
主に菌やウイルスなどの病原体に感染(組織に寄生されること)し、様々な症状を発症します。病気になった野菜はもちろん、食べることはできなくなります。生育に影響が出て、実がならなくなったり、茶色くなったり、腫瘍のようなこぶができるなど見た目にも良くない変化が起きるからです。こうなったらもう、当然ですが、泣く泣く捨てるしかありません。

また、害虫は野菜の葉や実を好んで食い荒らす農家の敵です。野に生えている雑草には目もくれず、栄養たっぷりで健康的な野菜をおいしく感じるのでしょう、隙あらば手間暇かけて我が子のように大切に育てた野菜たちをボロボロになるまで食べ尽くします(本当に憎い・・・!笑)。

このように農家は、皆様にお届けするための野菜を守るためにこれらの敵と毎日、それこそ24時間365日、日々警戒し対策を続け、終わらない戦いを続けていかなければならないのです。

作物の病気の種類と被害程度

伝染性病害の原因となる微生物には糸状菌・細菌・ウイルス・マイコプラズマ様微生物などの種類がいますが、とくに糸状菌によるものが非常に多く、ウイルスによるものも少なくありません。細菌によるものは比較的少ないですが、被害の程度は最も大きいです。

病原微生物には、1種類の決まった寄主(よりぬし)につくものと、いろいろな種類の寄主につくものがいます。ウイルスは前者が多く、糸状菌はどちらも多いです。細菌は後者が多いです。

一般に病害は、虫害にくらべて、生理的活動の阻害程度が大きいので、見かけの症状よりも被害の程度が重くなります。

糸状菌

糸状菌とは、細胞が糸のようにつながって菌糸をつくるかびの一種で、胞子によって繁殖します。菌糸や胞子は、肉眼でははっきり見ることができませんが、菌糸が密に結合してできる菌核は、2ミリくらいの大きさになるものもいます。

胞子が有機物の表面に付着すると、発芽し、菌糸を伸ばします。菌糸は糸状菌の栄養体で植物の細胞内に入って細長く伸び、分岐したりからみあったりして養分を吸収します。その場合の寄主は、死んだ有機物の場合と、生きた有機物(生物)の場合があります。前者の場合を死物寄生、後者の場合を活動寄生と呼びます。また、死物にも活物にも寄生できるものがいます。

胞子には、無性生殖でできるものと、有性生殖でできるものがいます。無性生殖によってできる胞子を分生胞子と呼びます。
有性生殖の場合の胞子のでき方は、菌の種類によって違います。この有性生殖による胞子のでき方と、菌糸の隔膜の有無などによって糸状菌は大きく五つに分類されています。

古生菌類

菌の体にはっきりした細胞膜がなく、アメーバ状で、そのまま有性または無性の胞子をつくります。

そう菌類

菌の体には細胞膜があって糸状の菌糸となりますが、菌糸には核膜がありません。有性生殖によって卵胞子あるいは接合胞子をつくります。

子のう菌類

菌糸には核膜があります。有性生殖によって子のうをつくり、そのなかに子のう胞子を生じさせます。無性生殖と有性生殖とが繰り返されて生活史が完成します。

不完全菌類

これは、子のう菌類や担子菌類のような分類の仕方と違って、有性生殖の時代がまだ知られていない菌を便宜的にまとめたものです。有性生殖の時代がわかれば、その特徴によって子のう菌類や担子菌類のいずれかに分類される種類を多く含んでいます。

主な糸状菌病
作物 古生菌類 そう菌類 子のう菌類 担子菌類 不完全菌類
イネ 黄化いしゅく病・苗腐れ病 ばか苗病・ごま葉枯れ病・すじ葉枯れ病 墨黒穂病・紋枯れ病 いもち病・小粒菌核病
麦類 褐色雪腐れ病・黄化いしゅく病・オオムギ黄枯れ病 紅色雪腐れ病・うどんこ病・立枯れ病・赤かび病 なまぐさ黒穂病・黄さび病・赤さび病 オオムギのひょう紋病・雲紋病、コムギ葉枯れ病
ジャガイモ 粉状そうか病 疫病 黒あざ病・白絹病 炭そ病・灰色かび病・夏疫病
豆類 エンドウ・ソラマメの火ぶくれ病 ダイズべと病
インゲンマメ綿腐れ病
ダイズの黒痘病・炭そ病・菌核病
アズキ・インゲンマメのうんどんこ病
アズキの白絹病・さび病、ソラマメさび病 ダイズ赤かび病・インゲンマメ立枯れ病
野菜 ハクサイ根こぶ病 トマトの疫病・褐色腐敗病、キュウリ・メロン
ハクサイのべと病、ハクサイ・ダイコンの白さび病
ナス・トマト・キュウリ・カボチャ・ダイコンの菌核病、キュウリ・カボチャのうどんこ病 ナス・インゲンマメの苗立枯れ病、トマト・ニンジンの白絹病、アスパラガス̪紫紋羽病 ナスのかつ紋病・炭そ病、ナス・トマトの輪紋病、ウリ類のつる割れ病
果樹 ミカン褐色腐敗病・ブドウべと病 リンゴ・ナシ・ブドウのうどんこ病、リンゴ・ナシの黒星病、ミカンそうか病、リンゴの黒点病、モモ・クリの胴枯れ病、各種果樹の白紋病 リンゴ・ナシの赤星病、各種果樹の紫紋羽病 リンゴかっぱん病・ナシ黒はん病・モモ炭そ病・ブドウかっぱん病・ミカン炭そ病、各種果樹の菌核病、リンゴはん点落葉病
草花 バラべと病・カーネーション疫病など 各種草花のうどんこ病・菌核病など バラさび病・キク白さび病 キク黒はん病・キクかっぱん病、キク・シクラメンの灰色かび病、カーネーションの苗立枯れ病・立枯れ病・いちょう病

※炭そ病のうち有性生殖の知られているものを子のう菌類、まだ知られていないものが不完全菌類に分類されていますが、これらは元来ごく近縁のものです。

細菌(バクテリア)

細菌とは、糸状菌と異なり、1個1個の細胞がばらばらで、1細胞が1菌体として生活しています。形は、球状・楕円形状、桿状(かんじょう)などいろいろなものがいますが、植物に寄生する細菌の大部分は桿状です。桿状細菌は、長さ2~4ミクロン、幅が0.3~1ミクロンで、多くはからだに鞭毛(べんもう)をもち、水の中をよく動きます。繁殖は菌体の分裂によっておこないます。

細菌が引き起こす症状

細菌による病気は、①はじめ柔組織が侵され、後に付近の維管束が侵されて、はん点・葉枯れなどの症状を示し、病勢がすすむと腐敗するもの(イネ白葉枯れ病、野菜の軟腐病、ミカンかいよう病など)、②道管部が侵され、道管がつまって水分の上昇が妨げられるためにしおれたり青枯れ症状をおこしたりするもの(ナス青枯れ病、ジャガイモ輪腐れ病など)、③最近の分泌する物質の刺激によって組織が肥大し、こぶをつくるもの(果樹の根頭がんしゅ病など)などに大別されます。

主な細菌病
作物 おもな病気
イネ 白葉枯れ病・もみ枯れ細菌病
麦類 黒節病・オオムギ穂焼け病
ジャガイモ 青枯れ病・輪腐れ病・軟腐病・そうか病
豆類 ダイズ葉焼け病、アズキ・インゲンマメの葉焼け病
野菜 ナス・トマト・ダイコン・インゲンマメ・ソラマメの青枯れ病、トマトかいよう病、ハクサイ・ダイコン・トマトの軟腐病
果樹 根頭がんしゅ病・ミカンかいよう病、モモ・アンズのせん孔細菌病、ビワがんしゅ病
草花 キク青枯れ病・ユリ軟腐病・カーネーションいちょう細菌病

ウイルス

ウイルスとは、生物のような性質と無生物のような性質をあわせもっているものをいいます。ウイルス自身は他の生物の細胞に寄生しないかぎり、まったく変化しません。ですが、寄生すれば、生物のように増殖します。

ウイルスは桿状・球状・糸状などいろいろな形をしています。その大きさは長い部分で測って30~300ミリミクロンのものが多く、タバコモザイクウイルスは長さ280ミリミクロン、幅15ミリミクロンです。このようにウイルスは非常に小さいので、電子顕微鏡でなければ見ることができません。

ウイルスが引き起こす症状

ウイルスに侵されるとモザイク(葉や花弁に濃淡のふ入りが生じるもの)・いしゅく・黄化・奇形などの症状を示します。

主なウイルス病
作物 おもな病気
イネ いしゅく病・しま葉枯れ病
麦類 いしゅく病・オオムギしまいしゅく病・はん葉モザイク病
ジャガイモ モザイク病・葉巻き病
豆類 モザイク病
野菜 ナス・トマト・キュウリ・ハクサイのモザイク病
果樹 ハッサクいしゅく病、リンゴ・イチジクのモザイク病
草花 ユリモザイク病・キクモザイク病・チューリップモザイク病

マイコプラズマ様微生物

マイコプラズマ様微生物とは、大きさは細菌よりもずっと小さく、ウイルスに近いですが、ウイルスとちがって細菌のように独立しても生きていくことができ、その性質は細菌に近いです。

マイコプラズマ様微生物が引き起こす症状

イネ黄い病・サツマイモ天ぐす病・クワいしゅく病・レタスい黄病などがこの微生物によっておこると考えられています。これらは、いしゅく症状を示し、これまでウイルス病と考えられていました。マイコプラズマ様微生物は、ヨコバイ類などによって媒介されます。

作物に被害を与える害虫の種類と特徴

作物の害虫といわれているものは、主として昆虫です。そのほかにダニ類・センチュウ類および陸産貝類などの小型の無脊椎動物がいます。

昆虫

昆虫とは、無脊椎動物のなかの節足動物門昆虫網に属する小型の動物で、非常に多くの種類を含んでいます。原則として、成虫は2対の羽と3対の足を持ち、体は頭部・胸部および腹部の三つに分かれています。全世界の動物の種類の数を120万~130万種とみると、そのうちの100万種以上が昆虫であるといわれています。それらはおもに形態や変態の仕方などによって20余りの目に分けられますが、そのなかには重要な作物害虫を多く含む目と、作物害虫があまり含まれていない目がいます。また、害虫の天敵(益虫)が多く含まれる目もいます。

害虫の多い目は、直翅目(ちょくしもく)・半翅目・鱗翅目(りんしもく)・双翅目・鞘翅目(しょうしもく)などで、天敵の多い目は、蜻蛉(せいれい)目(トンボ類・ヤンマ類)・脈翅目(クサカゲロウ類・粉カゲロウ類)・半翅目(ヤドリバエ類・ムシヒキアブ類・ヒラタアブ類)・鞘翅目(オサムシ類・テントウムシ類・ハネカクシ類)・膜翅目(ハチ類・アリ類)などです。

昆虫類の特徴は、成長につれてその形態や生活の仕方が大きく変化するものが多いことです。鱗翅目・双翅目・鞘翅目・膜翅目などは、その幼虫時代と成虫時代とでは、形態の上でも、生活場所や生活内容の上でも全く異なっていて、この間に活動をしないさなぎの時代があります。このような形態を完全変態をするといいます。

一方、直翅目・半翅目・総翅目などは、幼虫と成虫の形態はあまり変わりません。幼虫は羽がなくて、体が小さいだけで、全体の形は成虫と似ています。これを不完全変態をするといいます。
その住み場所も食物も幼虫と成虫とで大差がない場合が多いです。

昆虫の目と主な害虫
おもな種類
粘管目 トビムシ類(ヤギトビムシモドキ・キボシマルトビムシ)
直翅目 バッタ類(イナゴ・トノサマバッタ)・ケラ・エンマコオロギ
半翅目 カメムシ類(イネカメムシ・イネクロカメムシ・ミナミアオカメムシ・ホソヘリカメムシ・アオクサカメムシ・チャバネアオカメムシなど)
ウンカ類(セジロウンカ・トビイロウンカ・ヒメトビウンカ)
ヨコバイ類(ツマグロヨコバイ・コミドリヨコバイ・ミカンヒメヨコバイなど)
アブラムシ類(モモアカアブラムシ・ダイズアブラムシ・エンドウヒゲナガアブラムシ・ワタアブラムシ・ダイコンアブラムシ・ブドウネアブラムシ・ミカンアブラムシなど)
カイガラムシ類(ヤノネカイガラムシ・ルビーロウムシ・イセリヤカイガラムシ・サンホーゼカイガラムシ・アカマルカイガラムシ・ミカンネカイガラムシ・クワコナカイガラムシなど)
シラミ類(ミカントゲコナジラミ・オンシツコナジラミなど)
グンバイムシ類(ナシグンバイ・ツツジグンバイ・キクグンバイなど)
セミ類(アブラゼミ・クマゼミなど)
総翅目(アザミウマ目) アザミウマ類(チャノキイロアザミウマ・ネギアザミウマ・ウスイロアザミウマなど)
鱗翅目 メイガ類(ニカメイガ・サンカメイガ・アワノメイガ・イネタテハマキ・マメノメイガなど)
コウモリガ類(コウモリガなど)
ハモグリガ類(リンゴハモグリガ・ヒルガオハモグリガ・モモハモグリガなど)
ハマキガ類(チャハマキ・コカクモンハマキなど)
ヒメハマキガ類(クリミガ・ナシノヒメシンクイ・マメシンクイガなど)
イラガ類(イラガ)
カレハガ類(オビカレハ・マツカレハなど)
ドクガ類(マイマイガ)
ヤガ類(フタオビコヤガ・ヨトウガ・アワヨトウ・イネヨトウ・カブラヤガ・ハスモンヨトウ・フサクビヨトウ・アカエグリバ・ヒメエグリバ・アケビコノハなど)
チャチホコガ類(モンクロシャチホコ)
ヒトリガ類(アメリカシロヒトリ・クワゴマダラヒトリなど)
スズメガ類(セスジスズメ・コスズメなど)
ミノガ類(オオミノガ・チャミノガなど)
マダラガ類(ウスバツバメ)
スカシバガ類(ブドウスカシバ)
スガ類(リンゴヒメシンクイ・キンモンホソガなど)
キバガ類(イモコガ・ジャガイモガ・バクガなど)
ホソガ類(ナシノカワモグリ・ミカンハモグリガ・キンモンホソガなど)
チョウ類(モンシロチョウ・ウラナミシジミ・イチモンジセセリ・アゲハなど)
双翅目 ガガンボ類(キリウジガガンボ)
タマバエ類(ダイズサヤバエ・ムギタマバエ・キクタマバエ・ダイコンタマバエなど)
ミバエ類(ウリミバエ・ミカンバエ・ミカンコミバエなど)
キモグリバエ類(イネカラバエ・ムギカラバエなど)
ハモグリバエ類(イネヒメハモグリバエ・キクハモグリバエなど)
カ類(イネユスリカ)
イエバエ類(タネバエ・ダイコンバエなど)
鞘翅目 ゾウムシ類(イネゾウムシ・アリモドキゾウムシ・ヤサイゾウムシ・モモチョッキリゾウムシ・コクゾウムシ・クリシキゾウムシなど)
ハムシ類(イネドロオイムシ・イネクビホソハムシ・ウリハムシ・ナスノミハムシ・キスジノミハムシ・アオバネサルハムシなど)
カミキリムシ類(トラカミキリ・ブドウトラカミキリ・ゴマダラカミキリ・キクスイカミキリなど)
コガネムシ類(ドウガネブイブイ・アメビロードコガネ・マメコガネ・ヒメコガネ・コアオハナムグリなど)
キクイムシ類(クワノキクイムシ・ミカンノキクイムシなど)
テントウムシ類(オオニジョウヤホシテントウ・ニジュウヤホシテントウ)
コメツキムシ類(マルクビコメツキムシ・クロクシコメツキ)
タマムシ類(ミカンナガタマムシ)
膜翅目 ハバチ類(ムギハバチ・ダイズハバチ・カブラハバチ・ナシミハバチなど)
キバチ類(バラクキバチなど)
タマバチ類(クリタマバチなど)

ダニ類

ダニとは、昆虫と同じく無脊椎動物の節足動物門蛛形網に属しますが、成虫になっても羽がなく、足が4対または2対で、体ががく体部と胴部の二つに分かれているので、昆虫とははっきり区別できます。動物分類学的にはクモ類に非常に近いです。ですが、クモ類がほとんど小動物を捕食するのに対して、ダニ類は形態も生態も非常に多彩です。

小さな動物を捕えて食べる捕食性、他の動物の体内や体表について体液を吸う動物寄生性、生きた植物の汁液を吸う植物食性、動植物の遺体などの有機物を食べる腐食性などさまざまな食性のものがいます。

このなかで植物食性のハダニ・サビダニ・ネダニのいくつかの種類が作物害虫となっています。

また、捕食性のダニは、作物害虫の天敵に多く、ラーゴカブリダニ・フツウカブリダニ・ケボソカブリダニなどがいます。

ダニの一生は、不完全変態をする昆虫と似ています。卵から孵化した幼虫は、成虫とよく似た形態をしていて次第に大きく成長していきます。

ダニ類、とくに作物を加害する種類のダニは非常に小型のものが多く、ふつう、肉眼ではようやくその存在がわかる程度で、足の数などは見分けられません。

ダニ類の主な害虫
科名 種類 加害作物
ホコリダニ チャノホコリダニ チャ・ナシ・スイカ・ナスなど
ハダニ リンゴハダニ
ミカンハダニ
オウトウハダニ
ニセナミハダニ
カンザワハダニ
ナミハダニ
リンゴ・ナシモモなど
ミカン・ナシ・ビワ・クワなど
リンゴ・ナシ・オウトウ・ウメなど
カーネーション・ブドウ・ダイズ・イチゴなど
ナシ・リンゴ・ナス・ウリ類など
リンゴ・オウトウ・ナシ・ダイズ・スイカなど
フシダニ ミカンサビダニ
チャノサビダニ
ブドウサビダニ
ミカン
チャ
ブドウ
コナダニ ユリ・チューリップ・タマネギ・ラッキョなど

センチュウ類

センチュウとは、昆虫やダニ類とはまったく違った系統の動物で、無脊椎動物の袋形動物門線虫網に属します。この類には、かなり多くの種類がいますが、その多くは地中に生息しています。一部は植物体内や動物体内に寄生しているものもいます。

このうちで作物の体組織内に寄生しているものと、地中に住んで作物の根から汁液を吸い取っているものが作物の害虫となります。これを一般に植物寄生性センチュウと呼びます。

このほか、植物寄生性センチュウを捕食したり他の害虫に寄生したりして、天敵として働くセンチュウもいくつか知られています。

作物の害虫となるセンチュウ類のほとんどは、非常に小さく、体が透明あるい白色半透明のものが多いので、見つけにくいです。

植物組織内にはいって、特異的な変色や変形の症状をおこすものもいるので、それによって判断することもできますが、ふつうは特別なセンチュウ分離装置(ベールマン装置など)で土中から分離し、顕微鏡で見ないと見つけられません。

センチュウの主な害虫
種類
シストセンチュウ サツマイモネコブセンチュウ・キタネコブセンチュウ・ダイズシストセンチュウ
ヤリセンチュウ ミナミネグサレセンチュウ・キタネグサレセンチュウ・チャネグサレセンチュウ
フクロセンチュウ ミカンネセンチュウ
ハセンチュウ イネシンガレセンチュウ・ハガレセンチュウ

その他の害虫

作物を害する小型の無脊椎動物には、これまであげたもののほかに、ウスカワマイマイやナメクジなどの陸産貝類、水田に発生するユリミミズのような環形動物などがいます。これらは、特別な条件のもとではかなり大きな害を起こすことがあります。

雑草

水田や畑で作物の生育を妨げる有害生物として、病害虫と並んで重要なものに雑草があります。
日本のように夏の気温が高く、雨量の多いところでは、雑草の育成がさかんで、放っておくと作物を圧倒してしまいます。

雑草の害としては、作物と競争して、その必要な水分・養分・光などの環境要因を奪う害と、地面を覆って地温を下げたり、蒸散をさかんにして地面を乾燥させたりする害、また繁茂して農作業を妨げたり、作物病害虫の中間寄生あるいは共通寄主になったりする害があるため、無視できない非常に厄介な存在となります。

病害虫や雑草対策として農薬が発達

上記に挙げたような病害虫や雑草に長らく頭を悩ませてきた農民は、効率的に解決する方法として農薬を散布するというシンプルな方法にたどり着き、広まりました。何せ、それまでは手で虫を叩き落したり、雑草を引っこ抜いたりと手間暇をかけて肉体を酷使してきましたから(それらも追いつかず、ひどいときには飢餓が起きるほどに収穫できないことも多々あったのです)、広まるのは当然だったのでしょう。

農薬による防除を、一般に化学的防除法と呼びます。19世紀の終わりころから、殺虫剤としてニコチン・デリス・ジョチュウギクなどの植物から抽出した物質や、マシン油乳剤・ひ酸鉛などのかんたんな無機化合物が使われ、殺虫剤としてボルドー液石灰硫黄合剤が使われてきました。

その後、1939年にDDT(ジクロロジフェニルトリクロロエタンの略。有機塩素系の殺虫剤)が発見されて以来、有機塩素系・有機りん系・有機硫黄系をはじめ、多くの有機合成農薬がつぎつぎに開発されました。そして日本でも、1950年以降、これらの有機合成農薬の使用が普及しました。

有機合成農薬の効果

有機合成農薬は、化学工業によって品質の均一なものが大量に合成されるので、防除の効果はきわめて安定していて、収量や品質の向上に対してめざましい効果をあげました。イネは、毎年広い面積にわたって病害虫の被害を受けていますが、このような農薬による防除の結果、実際の収量の減少はごく少ないのです。さらに、作物の栽培時期を広げたり、多肥栽培などの新しい栽培方法の採用を可能にしたりした効果も大きいです。

化学防除法への反省

化学的防除法は、日本の農業の生産性をいちじるしく高めた一方で、これまで自然のなかに存在しなかった物質を多量に持ち込むことによって、予期しない影響を引き起こしました。

その第一は、人体に対する危害で、パラチオン(有機りん系殺虫剤。中国産冷凍餃子で死亡事故が起きたことで有名になった)の使用が始まって以来、農薬使用にともなう死亡事故が急増しました。さらにBHC(別名HCH。ベンゼンヘキサクロリドの略)などの有機塩素剤の使用が続けられて、その農産物中への残留による人体内蓄積が重要な問題となりました。

世界的に見ても、有機塩素剤を多く使う国ほど、人体への有機塩素の蓄積量が多い傾向があります。その中でも日本は人体脂肪中の残留量がインドに次ぐ二位という過去の調査結果もあります。インドはマラリア予防のため殺虫剤を散布しているので農作物に対する散布としては日本が最も多いという結果になります(低農薬・減農薬の推奨が盛んな昨今では昔ほど多くはないはずです。念のため)。

第二は、自然環境に対する影響で、農業面では害虫を捕食する天敵の減少生物祖の単純化、不安定化が問題となっています。

一例として、野菜を含む草花の受粉に重要な役割を持っているハチの減少との関連が指摘されているネオニコチノイド系農薬をミツバチに与えると、雄がつくる活発な精子の数が4割減るなどの悪影響が出るとの実験結果を、スイス・ベルン大などの国際研究チームが発表しています。

農薬の使用量あるいは使用回数が多くなるにつれて、多数の多種害虫が減少しましたが、それにかわって少数の害虫の増加が見出されています。それは、鱗翅目(ある種の蛾)や半翅目(一部のウンカ、コナカイガラムシ)の昆虫、およびハダニ類などです。

こうした少数の害虫がときに異常発生して、従来あまり問題にならなかった害虫による被害が目立ってきています。長野県のリンゴ園におけるリンゴハダニの大発生や、全国的なウスカワマイマイの多発などはその例です。

現在では、有機水銀剤やパラチオン、BHC・ドリン材などの有機塩素剤など、急激な人体被害のある農薬、あるいは長期にわたり自然環境や食品への残留の認められる農薬の生産は中止されているか、使用に強い規制が加わっています(あくまでも日本のなかで、ですが)。

また、一般に1種類で多くの病害虫や雑草に効果をあらわす汎用性の農薬の使用が減り、次第に特定ものにだけ効果をあらわす選択性の農薬が多く使われるようになってきました。ですが、有機合成農が自然環境をかく乱する問題は、根本的には解決されていません。

農薬を使った野菜はなくならない

農薬が広く使われている事情がお分かり頂けたでしょうか?
生の野菜は保存が効きませんし、たくさんの作物が日本全国で消費されているので、効率的な収穫手法を使わない限り追いつきません。
どれだけ低農薬・減農薬が進んでも、多くのスーパーや飲食店で農薬を使った野菜やお米がなくならないのは、ご理解頂けたのではないでしょうか。

はっきり言って、無農薬の野菜は贅沢品です。
農薬を少しでも使えるのなら、こんなにもさまざまな問題が解決できるのですから。

それでも農薬を使わない野菜のニーズがある限り、無農薬栽培を実現していきます。
あなたとあなたの大切な家族のためだけの、特別なお野菜をお届けいたします。

   

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