トマトの育て方 作り方 栽培方法 家庭菜園 時期 肥料

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トマトの育て方 作り方 栽培方法 家庭菜園 時期 肥料

トマトの樹

料理の彩りを飾るのに欠かせないトマト。栄養も豊富で健康にも美容にも良く、また独特の酸味が食欲を増進させてくれます。中には甘みが濃い・高糖度のフルーツタイプもあり、デザート替わりにもなるなど人気の野菜です。

また、ミニトマト(プチトマト)は小さくかわいらしいですが、それゆえに野菜嫌いな子供にも食べやすいサイズなので、野菜に慣れさせるのに適しているといえますね。

そんなトマト・ミニトマトを自宅のベランダ菜園、鉢・プランター、借りた畑でお手軽・簡単に家庭菜園したいというあなたのために、現役農家がミニトマトを育てるマニュアルとして、美味しくて甘いトマトを育てる基礎知識からコツまで、徹底解説いたします!

事前準備

ホームセンターにて、必要な資材を全て揃えることができるでしょう。
実際に必要なものをあげていきます。

通常、トマトの苗は4月中旬ごろから5月初頭にホームセンターで入荷されます。
苗1個の価格は数十円からおよそ数百円程度になりますが、選ぶ基準として当然ですが、健康的で育ちの良いものが良いです。

明るい緑に青々としたもの、茎が太く、節の合間が短く、葉が大きいもの、虫食い跡がないものをなるべく選ぶようにします。花やつぼみ、双葉がついているものがよりおすすめです。

プランター(鉢・コンテナ)

特にこだわりがなければ合成樹脂製のものが安く手に入ります。少しでも節約したい、という場合は100均ショップで入手します。大きさによっては、お店にもよりますが200~300円することがあります。

トマトは根が張りやすいので大きめのものを用意します。
苗一本につき、幅30センチ、深さ30センチ以上の深底で丸型を選びましょう。広く深いほど育ちが良くなりますが、最終的には置く場所の都合で決めることとなると思います。

用土

初心者なら野菜用培養土がおすすめで、一定の肥料があらかじめ施された土となっています。
20リットル程度でワンコインほどの金額ですが、安いものだと通常の土と大差なくなるので、余裕があれば高めのものが心配ありません。

底土

赤玉など、プランターの底に敷くための資材です。根が底を抜けないようにすることと、土が流れないようにするために必要になります。そのため、プランターの底の網より大きな粒でないとなりません。

液体肥料

追肥として、二週間に一度、液体肥料を水やりのときに混ぜて使うと良いです。注意点として、この水やりの時に葉や茎に当たらないように、株元にかかるようにします。葉や茎が濡れると過湿によって病気になりやすくなります。

支柱

1.5メートル程度の支柱を用意しておきましょう。プランターとセットになっていることが多いので、通常はそれを使います。

その他

苗を植えるときに必要な園芸用シャベル(移植ごて)、水やり用のじょうろ、支柱にトマトの茎を結びつけるのに使う麻紐が必要になります。特に専門性のないものなので、節約したい場合は100均ショップで揃えて問題ありません。

高糖度の甘いトマトにするコツ!

早く大きくなって欲しいからと肥料や水やりを多めに・・・これは厳禁です!
水やりがすくないほどトマトは甘くなるので、なるべく水やりの頻度を減らします。3~4日に1度程度で様子を見ましょう。
実際に水をあげるときも鉢から溢れない程度に抑えておきます。このとき、株本に水をかけ、葉や茎には当たらないようにしましょう。上記でも触れていますが、過湿によって病気になりやすくなります。

トマトの植える時期と収穫期、環境は?

トマト栽培の流れ

種まきから発芽までの期間は6~10日、定植までの育苗機関は60日くらいです。定植後、活着して生育が進むと開花・結実し、開花後50日ほどで収穫できるようになります。

基本的には、夏に収穫するトマトとして、遅霜のおそれがなくなった5月上旬ごろに、一定の大きさの苗を畑に定植します。

栽培期間は、どの花房まで収穫するかによって異なりますが、第5花房くらいまで収穫して栽培を終えることが多くなっています。

主な性質と環境

トマトは原産地の環境(南米大陸の高冷地、アンデス地帯)に適応した性質をもっており太陽の光が強く、昼夜の温度差が大きく(生育適温は昼間25度前後、夜間15度前後)、湿度が低い環境を好みます。

発芽の適温は25~30度と比較的高くなっています。

梅雨期の日照不足と降雨による過湿、夏の高夜温はトマトの健全な生育にとって好ましくありません。

品種とその選択

日本のトマトの品質は生食用が主となっていますが、加工用や調理用もあり、果実の大きさ・形・食味・性質などの異なる多くの品種が改良されています。

用途に合わせた品種を選ぶとともに、梅雨から夏に向かう露地栽培では、耐病性、耐暑性が高く、食味・品質のよい品種が望ましいです。

また、小玉種(ミニトマト)は栽培しやすく、初心者がまず始めてみるにはおすすめです。

実際に栽培してみる!

苗の育て方と診断

苗の姿と生育

トマトの苗を実際に手に取って観察してみましょう。

一番下で向かい合っている小さな葉(子葉)は光合成を行い、茎葉や根を形成する同化養分を供給する重要な役割をもっています。

子葉の上の葉は発芽後、新たに形成されたもので、掲載された順に下から第1葉、第2葉と呼びます。

茎の上方を見ると、つぼみの集まりの第1花房があり、使用から第1花房までの生育過程を観察することができます。

トマトはふつう第8~9葉ができると、花芽を分化して第1花房を形成します。

その後は葉が3枚出るごとに次の花房を形成します。

苗の良し悪し

苗の良し悪しによって、その後の生育や収量が大きく左右されます。

正常によく育った苗は、次のような形態をしています。

①茎ががっちりして、節間は短く、苗全体がのびのびとしている。
②葉が厚く大きく、子葉が傷んでいない。
③花房の発達がよく、1つの花房につぼみが5つ以上あって、もとから先端部へ連続している。
④細根が多く根が密生し、根鉢がしっかりしている。

土の準備と定植

苗の順化

苗床の苗は、温度の変化が緩やかで水分も必要量与えられ、光も適度で風からも守られています。

ですが、定植される屋外のプランターや畑では強い光や風にさらされ、温度の変化も激しいです。

このような環境の急激な変化に順応させるために、定植の10日くらい前から夜間も外気にあてるなど、苗床の環境を外の環境に次第に近づけるようにします。

これを苗の順化といいます。

土の準備

トマトの根は深く広く伸びるので、土壌はやわらかく通気性・排水性・保水性にすぐれた団粒構造であることが望ましいです。

元肥を施し、耕耘して土とよく混ぜ、畝建てを行います。
肥料の施肥例は次のようになっています。

肥料 元肥 追肥4回
堆肥 1,000グラム
油かす・骨粉 300グラム
苦土石灰 60グラム
溶性リン肥 10グラム
過リン酸石灰 25グラム
硫安 40グラム 40グラム
塩化カリ 20グラム 40グラム

※1株当たり3キログラムの収穫を見込むときの施肥量
※全量の成分量は窒素16.8グラム、リン酸6.5グラム、カリ36.0グラム(堆肥・油かすを除く)

トマトの根がよく伸びるには13度以上の地温が必要なので、マルチングを行うことが多いです。

マルチングの周囲は土で押さえて、風に飛ばされないようにしましょう。

梅雨期の多雨・多湿はトマトに疫病や葉かび病などを発生させるので、雨よけを行うと発生を少なくすることができ、作業もしやすくなります。

定植

定植は、平均気温が15度以上になり、遅霜のおそれがなくなった時期に、風のないおだやかな日を選んで行いましょう。

当日、苗には十分に潅水して、鉢土に水を行き渡らせておきます。

マルチングしたフィルムを植穴に合わせて切り取り、花房を通側に向けて定植します。トマトの花房は葉3枚ごとに形成され、それらは一定の角度で一回りするように出るので、すべて第1花房と同じ方向につきます。花房を通路側に向けると作業や観察がしやすくなります。

鉢から苗を取り出すときに根鉢を崩さないように注意しましょう。

トマトの根は酸素の多い土を好むので、深植えにしないようにします。このとき、根鉢は外土に隠れるようにします。鉢土と外土との間に隙間を作らないようにし、植穴の土は数日前の潅水で十分に水分を含んでいる状態が理想です。

植え終わったらすぐに支柱に誘引しましょう。しっかりした葉柄の下で茎が太くなる余裕を残して8の字結びにします。果実が肥大してずり落ちないようにしっかり支柱に巻き付けて止めるようにしましょう。

整枝

整枝は栽培法や仕立て方にもとづいて側枝を摘み取りする(芽かき)など、茎の伸び方全体を制御する重要な管理です。

生育が進むにつれて、側枝が伸びてきます。花房のすぐ下の節からは主茎と間違うほど勢いよく側枝が伸びてきます。花房のついているほうが主茎なので、大きくなりすぎる前に早めに摘み取るようにします。また、葉柄の下に伸びてくる側枝は6~10センチに伸びたら摘み取ります。横へ曲げて付け根から摘み取り、傷口を大きくしないように注意しましょう。見つけるのが早ければ指でつまんで摘み取れます。

トマトでは側枝をすべて摘み取って主茎のみを伸ばし、これに着果させる1本仕立てにすると整枝作業がしやすいのでおすすめです。

ウイルス病の株があれば、その株の整枝は最後にするか、抜き取って焼き捨てましょう。

収穫予定の花房まで開花したら、収穫予定の花房の上に葉を2~3枚残して、主茎の先端を摘み取ります(摘心)。

開花と着果の促進

開花

トマトは感光性がなく、花房と花はもとから先のほうに、第1(番)花、第2(番)花と順に成長・開花します。

花はおしべ、めしべの両方をそなえている両性花で、自分の花の花粉で受粉(自家受粉)します。

やくは、つながりあって全体で先の細い筒のようになっています。

品種や花によっては、めしべの花柱がこの筒の中に伸びていくとき、やくの内側(花柱側)が裂けて、柱頭に花粉が受粉されます。

着果の仕組み

受粉・受精して種子ができると、子房の成長ホルモンの濃度が高くなり、子房に同化養分が盛んに送られるようになり、子房が肥大化して着果します。

受粉が行われないと子房が肥大化しないで落花してしまいます。

受粉を促すためには、花房を振動させたり、マルハナバチを利用したり、ホルモン剤を花房にかけて子房内の成長ホルモン濃度を高めたりする方法があります。ホルモン剤処理をすると種子ができないで果皮が肥大するので、空洞果(ピーマン果ともいう。中身がスカスカになること)が発生しやすくなってしまいます。

生育診断と栽培管理

果実の肥大成熟

果実は着果後30日ごろまで肥大が急速に進みます。

その後肥大速度は鈍り、40~50日で着色が始まり、50~60日で成熟して収穫できるようになりますが、完熟してから収穫するほうが美味しくなります。

形や肥大の悪い果実は摘み取って(摘果)、形と大きさのそろったものを1花房当たり4~5個残すようにしましょう。

生育診断と管理

トマトを長期間にわたってたくさん収穫するためには、栄養成長と生殖成長の釣り合いの取れた生育をさせることが大切です。

茎が太く勢いよく伸び、葉が濃緑で大きくなって垂れ下がる場合には、窒素の追肥を控え、下のほうの花房の着果数を多くして栄養成長を抑えるようにしましょう。

一方、茎が細く、葉が淡緑で小さい場合には、下のほうの花房の果実数を少なくし、窒素の追肥や潅水などによって生育の回復を図ります。

追肥は、生育診断にもとづいて、早めに少しずつ、回数を多くして施します。

株もとを避け、根が伸びているうねの肩に施すようにしましょう。

また、生育が衰えたり、朝夕にも葉のしおれがみられたりする場合には、十分な潅水も必要になります。

病害虫の防除

梅雨期移行の病気が大きな問題になります。

梅雨期は、日照不足で湿度が高く、比較的気温も低いので、疫病、葉かび病、灰色かび病、輪紋病などが発生しやすくなります。

また、夏の高温時には青枯れ病が発生しやすくなります。

病害虫の発生をみたら、早期に最小限の防除を行いましょう。

ウイルス病は、アブラムシによって液汁伝染することが多いので、アブラムシの防除が必要です。

病害防除のためには、連作を避けましょう。

葉に光をよくあてる、株間の通風をよくする、付近に病害虫の寄生・繁殖するような場所がないようにするなど、栽培環境を改善することが基本です。

収穫!

いよいよ待ちに待った収穫です。

栄養をたっぷり貯めこんで丸々と肥大の進んだ果実は、果頂部から徐々に着色し始め(催色期)、普段私たちが見慣れている真っ赤な姿のように、果実全体が着色すると果肉もやわらかくなってきます(完熟期)。

催色期にはいると一応収穫できますが、完熟期のものを収穫したほうがおいしくなりますよ。慌てずじっくり待ちましょう。

トマトはビタミンA・Cが多く、またB1・B2も他の野菜に比べて多いです。血圧を下げるルチンを多く含み、カルシウム、カロテン、リコピンも多いため、栄養価も高く高血圧の予防に適しているといわれています。

自分で愛情を込めて育てた美味~しいトマトを味わって、健康と美容を保ちましょう。

   

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